松田紗織
(平成27年12月2日付 産経新聞朝刊)
北朝鮮が拉致被害者らの再調査に合意してから1年半近くになる。しかし、今になっても解決に向けた前進の兆しは見えない。
拉致被害者の多くは、30年以上も行方がわかっていない。被害者や家族にとって、あまりにも長い時間が流れた。再会を果たせずに亡くなられた家族もいる。
中には身寄りのない人をターゲットにした事件もあるが、家族や親類でなくても、日本国民である私たちは、彼らのことを忘れてはならない。
国民の生命、財産を守ることは国家の最大の責務である。政府にとって、拉致問題の解決は最優先課題のはずだ。政府はもっと本腰を入れ、報告を先延ばしにする北朝鮮に対して強い態度で臨んでほしい。
12月10日から「北朝鮮人権侵害問題啓発週間」が始まり、政府や各自治体による啓発事業が各地で行われる。拉致問題の解決に向け、私たちも一人一人、何ができるのかを考えたい。
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