荒谷 卓
戦後日本は、主権も領土も国民も犠牲にして経済活動だけに没頭してきた。主権を守る手段たる安全保障と防衛は一貫して米国に依存し、領土が占領され、国民が拉致されてもただの一度も有効なる対策をうったことはない。戦後、日本国民は、およそ国家の体をなしていないものを、あたかも国家のように啓蒙されてきた。その核心は憲法であり、日本人として結束する意義を積極的に放棄する現憲法は、国体はおろか国家そのものの解体装置である。
経済成長の恩恵におぼれ、民族の尊厳を失った日本人。それは、養豚場の豚がたらふく餌を与えられ肥満化し、その後自分の身に起きる出来事、すなわち屠殺され食される運命を知らないのと同じである。現状は、中国市場だTPPだと、餌を鼻先にちらつかされて屠殺場に誘導される段階である。このような国難にあって、いずれの政党が政権に就こうと、誰が選挙に当選しようとも機能不全に陥った政治が回復しないことは明らかである。何故、この様な状況を目のあたりにしても、既存の政治家や政党等に期待し続けるのか。
日本の歴史上、このような国難においては、天皇陛下のもと、草莽の日本人が心を一つに団結し、君民一体となり自立した日本の戦略を実行できる新たな政体を創設してきたではないか。尊厳ある日本人として、他を頼らず、自ら判断し行動する時がきたのだ。
以下おまけ(改行の部分に入れていたものを文字数合わせのため取り除いた部分名)
この解体装置を仕掛けた米国の巧妙なる政略のままでは、戦後日本の状況がどのようなものかを国民は理解できないまま日本は崩壊しかねなかった。不幸中の幸いか、中国の台頭と民主党政権の誕生、特に尖閣沖の事案は、戦後日本の醜さと弱さを如実に国民と世界の前に理解せしめることとなった。
冷戦間、米国は、日本人を無防備のまま経済的に肥満化させた。冷戦後、稼がせた日本の資産を二国間及びTPP等多国間の枠組みで吸い取り、あるいは、次なる獲物である中国に日本の資産を投入させ、こちらを経済的に肥満状態にして軍事的野心を誘導し、そこを潰して荒稼ぎしようとしているようだ。
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