松田紗織
(平成26年12月9日付 産経新聞朝刊)
衆議院選挙が終わり、新たな国会議員の顔ぶれも決まった。選挙戦では、さまざまな課題で論戦が交わされたが、各党はいま一度、拉致問題に真摯(しんし)に取り組む姿勢を見せてほしい。
これまで政権が変わる度に、新しい首相や拉致問題担当相は「最重要課題として、拉致問題に取り組む」と表明してきた。しかし、ここ年を振り返ってみると、とても結果を出したとは言い難い。
もちろん、北朝鮮相手にまともな交渉が難しいのは理解できる。今回も、拉致事件の再調査を約束しておきながら、一向に結果を示さない。そんな国を相手にするのだから一筋縄ではいかないだろう。
しかし、本気になれば、国内で拉致に協力した者の捜査を進め、国際社会にも協力を求めるなど、まだまだできることがあるはず。政府はもちろん、各党も問題解決に向けた具体的なプランを示してほしい。
多くの国民は、拉致担当相の任命が次で最後になることを心から願っている。
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