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「お世話になりました。行ってきます」北朝鮮工作母船追跡事案(第3話)
「お世話になりました。行ってきます」 伊藤祐靖 「この話、親父に言うたか?」 「艦長には、まだ報告しておりません」CICの若い士官は、あまり艦長と話をしたくないので、私から艦長に言って欲しいという感じだった。 「あ、そう。俺から言うとく」...
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3月30日読了時間: 6分
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「お世話になりました。行ってきます」北朝鮮工作母船追跡事案(第2話)
「水道を出た。航海保安用具収め」
航海保安とは、狭い水道等を通過するときに下令するもので、急ブレーキとして錨をいつでも投入できる状態にして、見張りを強化することである。
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2月24日読了時間: 6分
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「お世話になりました。行ってきます」北朝鮮工作母船追跡事案(第1話)
イージス艦「みょうこう」の航海長だった私は、母港である舞鶴の本屋にいた。
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1月13日読了時間: 4分
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人生で4番目(に苦しい作戦)16最終回
伊藤祐靖 「ちっちぇ~」あの大きく、ずっしりと重かった国旗は、途方もなく小さかった。そして軽々と悠々と翻っていた。 しかし、美しかった。 美的感覚など全くない私だが、そう感じた。教育とか習慣によって植え付けられたものではなく、そのとき初めて沸き上がった感覚だった。...
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2014年12月27日読了時間: 3分
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人生で4番目15
伊藤祐靖 「第1桜丸」に戻ると、海上保安官が3名待っていた。 「お名前は?」 「伊藤です」 「魚釣島に上陸されましたね?」... 「はい」 「何時に上陸しましたか?」 「今朝、マルヨンマルマル04:00です」 「は?」 「みんなが飛び込む以前、夜が明ける前に一人で行きました...
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2014年12月25日読了時間: 4分
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人生で4番目15
伊藤祐靖 「第1桜丸」に戻ると、海上保安官が3名待っていた。 「お名前は?」 「伊藤です」 「魚釣島に上陸されましたね?」... 「はい」 「何時に上陸しましたか?」 「今朝、マルヨンマルマル04:00です」 「は?」 「みんなが飛び込む以前、夜が明ける前に一人で行きました...
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2014年12月20日読了時間: 4分
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人生で4番目14
伊藤祐靖 最後の2mは、波の寄せるタイミングを見ながら、海に滑り込んだ。1分くらいは、呼吸もせず、うつ伏せになってただ海水に身を任せて漂っていた。そうこうするうちに体温も下がって、ようやく動く気になってきた。静かに深く呼吸をしてからフィンを装着し、水路の出口まで行った。巡視...
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2014年12月11日読了時間: 2分
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人生で4番目13
伊藤祐靖 航空機からよく見えるように2枚目の国旗を崖上に設置し、07:50すべての作業を終了した。「1枚目の国旗もちゃんと張れてるはずだ!」と無理やり確信しながら、人生最高の景色、大海原に背を向けて下山を開始した。 下山を始めてまもなく、サイレンが聞こえてきた。何だ?? 何...
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2014年12月6日読了時間: 4分
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人生で4番目12
伊藤祐靖 一回だけギャンブルをすると決めた私は、ダブルチェーンノットで編んだパラシュートコードを首から腰へと巻きつけ、30度の崖を降り、そこから更に落ちる70度の崖に対して懸垂下降を開始した。あと50センチ降りれば旗の状態が確認できるところで、降下を止めた。...
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2014年11月29日読了時間: 3分
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人生で4番目11
伊藤祐靖 重り同士が絡まないように注意深く崖下に垂らそうと綺麗に畳んでいたのに、ヘリのおかげでぐちゃぐちゃになった。崖っぷちで、まさに崖の淵で、畳み直せばいいだけの話だったが疲労困憊している時というのは、とかく人を怠惰にさせ、たった一つの小さな手抜きが命取りになるものだ。こ...
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2014年11月29日読了時間: 3分
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人生で4番目10
伊藤祐靖 旗を吊り下げる細工をロープにし始めた。その間じゅう、ひっきりなしに2機のジェット機は私の近くを通過した。その度に作業を中止して隠れなければならない。 「ブーン」 どこか呑気なプロペラの音がしてきた。海上自衛隊の哨戒機P3Cだ。塔載しているセンサーについて、私は海上...
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2014年11月24日読了時間: 2分
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人生で4番目 9
伊藤祐靖 えっ、まさか……。数日前にこの島に中国人たちが上陸している。中国の戦闘機が来てるのか?? ジャングルの中にあって、真上の空しか見えない私は国籍が気になった。石垣島を出港した昨晩から何か大きなことが起きたのかもしれない……。...
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2014年11月24日読了時間: 2分
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人生で4番目 8
伊藤祐靖 疲労感は、その限度を通り越し、絶望感に変わりつつあった。2本の脚で立っているのも苦痛で、その場にへたり込みたくなってきた。仮にここですべてを投げ出してしまっても急に楽になるわけではない。こんな絶海の孤島のジャングルである。ここから、今来た経路を戻り、再び漁船まで泳...
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2014年11月24日読了時間: 3分
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人生で4番目 7
伊藤祐靖 自然界に溶け込んで、幽体離脱している気分だったのに、肉体が存在しているという現実に引き戻された。そればかりか馬鹿にきつい。口から心臓が出てきそうに苦しくなってきた。この程度の傾斜、植生、背負っている重量で、こんなにきついわけがない。何かがいつもと違うはずだ。ペース...
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2014年11月24日読了時間: 2分
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人生で4番目 6
伊藤祐靖 5分もすると、海沿いあった灯台のからも遠くなり、僅かに足下を照らしていた星の明かりも鬱蒼と茂るクバの枝葉が遮断し、完全な漆黒となった。 4日前に上陸した香港の活動家達のうちの数名が密かに残っている可能性は多分にあった。彼らにすれば、我々の乗っていた漁船は、真夜中に...
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2014年11月24日読了時間: 3分
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人生で4番目 5
伊藤祐靖 背泳ぎのような体勢でおでこ越しに灯台の明かりを見つめながら、顔面だけを水面に出して島への近接を開始した。距離は、300m程度だろう。これで、灯台と私の間に人が入ればすぐに判る。要するに私が上陸しようとしている地点に人が近づけば、そいつは灯台というバックライト背負う...
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2014年11月24日読了時間: 3分
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人生で4番目 4
伊藤祐靖 港へ着いて、「第一桜丸」に乗り込むとすぐに弁当を食べた。20時30分の出港直後にまた一つ弁当を食べて、ビールを1リットル飲んだ。べた凪の海面を15ノット程度で進む中、21時には寝た。全長160mある軍艦とは、揺れの周期が全く違うが、船の揺れは、何とも心地よく懐かし...
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2014年11月24日読了時間: 3分
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人生で4番目 3
伊藤祐靖 石垣島のホームセンターでリストに従って必要なものを調達して、ホテルの部屋に戻るとまず、特大の国旗の四隅にロープを付けれるようにすることから始めた。四隅に穴をあけ厚手の布を重ねて鳩目(靴ひもを通す穴にあるような環状の金具)を打ち込んだ。...
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2014年11月24日読了時間: 2分
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人生で4番目 2
伊藤祐靖 香港活動家らが尖閣諸島の魚釣島に上陸した2日後、私は石垣島に向かうため羽田空港にいた。政府は奴等の処分を決定していなかったが、無罪放免としやがった時の腹は決まっていた。 私の乗り込む漁船は、18日の20時頃に石垣島を出港する。尖閣諸島周辺海域は高気圧圏内でべた凪な...
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2014年11月24日読了時間: 3分
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人生で4番目
伊藤祐靖 平成24年8月15日、香港活動家らが尖閣諸島の魚釣島に上陸した。私は、不謹慎ながら心の奥でほくそ笑んでいた。それは、上陸した者、上陸を許した者への感情とは別のものであって、自分の出番が近づきつつあるという予感と今まで培ってきた能力が少しは役に立ちそうだという確信が...
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2014年11月24日読了時間: 2分
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