wix rbra2015年3月21日読了時間: 7分戦後70年。『八紘為宇』の理念を見直すべし荒谷卓 戦後70年に当たり、日本人が主体的に大東亜戦争までの歴史と戦後の歴史を見直す動きが出てきている。 安倍首相も、4月末からの訪米の際、米議会上下両院で、戦後70年を迎えた日米関係に関する演説を行うことを踏まえ、「 20世紀を振り返り21世紀の世界秩序と日本の役割を構想...
wix rbra2014年12月27日読了時間: 3分人生で4番目(に苦しい作戦)16最終回伊藤祐靖 「ちっちぇ~」あの大きく、ずっしりと重かった国旗は、途方もなく小さかった。そして軽々と悠々と翻っていた。 しかし、美しかった。 美的感覚など全くない私だが、そう感じた。教育とか習慣によって植え付けられたものではなく、そのとき初めて沸き上がった感覚だった。...
wix rbra2014年12月25日読了時間: 4分人生で4番目15伊藤祐靖 「第1桜丸」に戻ると、海上保安官が3名待っていた。 「お名前は?」 「伊藤です」 「魚釣島に上陸されましたね?」... 「はい」 「何時に上陸しましたか?」 「今朝、マルヨンマルマル04:00です」 「は?」 「みんなが飛び込む以前、夜が明ける前に一人で行きました...
wix rbra2014年12月20日読了時間: 4分人生で4番目15伊藤祐靖 「第1桜丸」に戻ると、海上保安官が3名待っていた。 「お名前は?」 「伊藤です」 「魚釣島に上陸されましたね?」... 「はい」 「何時に上陸しましたか?」 「今朝、マルヨンマルマル04:00です」 「は?」 「みんなが飛び込む以前、夜が明ける前に一人で行きました...
wix rbra2014年12月11日読了時間: 2分人生で4番目14伊藤祐靖 最後の2mは、波の寄せるタイミングを見ながら、海に滑り込んだ。1分くらいは、呼吸もせず、うつ伏せになってただ海水に身を任せて漂っていた。そうこうするうちに体温も下がって、ようやく動く気になってきた。静かに深く呼吸をしてからフィンを装着し、水路の出口まで行った。巡視...
wix rbra2014年12月9日読了時間: 1分拉致解決に向けた道筋示せ松田紗織 (平成26年12月9日付 産経新聞朝刊) 衆議院選挙が終わり、新たな国会議員の顔ぶれも決まった。選挙戦では、さまざまな課題で論戦が交わされたが、各党はいま一度、拉致問題に真摯(しんし)に取り組む姿勢を見せてほしい。...
wix rbra2014年12月6日読了時間: 4分人生で4番目13伊藤祐靖 航空機からよく見えるように2枚目の国旗を崖上に設置し、07:50すべての作業を終了した。「1枚目の国旗もちゃんと張れてるはずだ!」と無理やり確信しながら、人生最高の景色、大海原に背を向けて下山を開始した。 下山を始めてまもなく、サイレンが聞こえてきた。何だ?? 何...
wix rbra2014年12月2日読了時間: 1分「拉致」解決へ政府は本腰を松田紗織 (平成27年12月2日付 産経新聞朝刊) 北朝鮮が拉致被害者らの再調査に合意してから1年半近くになる。しかし、今になっても解決に向けた前進の兆しは見えない。 拉致被害者の多くは、30年以上も行方がわかっていない。被害者や家族にとって、あまりにも長い時間が流れた。再...
wix rbra2014年11月29日読了時間: 3分人生で4番目12伊藤祐靖 一回だけギャンブルをすると決めた私は、ダブルチェーンノットで編んだパラシュートコードを首から腰へと巻きつけ、30度の崖を降り、そこから更に落ちる70度の崖に対して懸垂下降を開始した。あと50センチ降りれば旗の状態が確認できるところで、降下を止めた。...
wix rbra2014年11月29日読了時間: 3分人生で4番目11伊藤祐靖 重り同士が絡まないように注意深く崖下に垂らそうと綺麗に畳んでいたのに、ヘリのおかげでぐちゃぐちゃになった。崖っぷちで、まさに崖の淵で、畳み直せばいいだけの話だったが疲労困憊している時というのは、とかく人を怠惰にさせ、たった一つの小さな手抜きが命取りになるものだ。こ...
wix rbra2014年11月24日読了時間: 2分人生で4番目10伊藤祐靖 旗を吊り下げる細工をロープにし始めた。その間じゅう、ひっきりなしに2機のジェット機は私の近くを通過した。その度に作業を中止して隠れなければならない。 「ブーン」 どこか呑気なプロペラの音がしてきた。海上自衛隊の哨戒機P3Cだ。塔載しているセンサーについて、私は海上...
wix rbra2014年11月24日読了時間: 2分人生で4番目 9伊藤祐靖 えっ、まさか……。数日前にこの島に中国人たちが上陸している。中国の戦闘機が来てるのか?? ジャングルの中にあって、真上の空しか見えない私は国籍が気になった。石垣島を出港した昨晩から何か大きなことが起きたのかもしれない……。...
wix rbra2014年11月24日読了時間: 3分人生で4番目 8伊藤祐靖 疲労感は、その限度を通り越し、絶望感に変わりつつあった。2本の脚で立っているのも苦痛で、その場にへたり込みたくなってきた。仮にここですべてを投げ出してしまっても急に楽になるわけではない。こんな絶海の孤島のジャングルである。ここから、今来た経路を戻り、再び漁船まで泳...
wix rbra2014年11月24日読了時間: 2分人生で4番目 7伊藤祐靖 自然界に溶け込んで、幽体離脱している気分だったのに、肉体が存在しているという現実に引き戻された。そればかりか馬鹿にきつい。口から心臓が出てきそうに苦しくなってきた。この程度の傾斜、植生、背負っている重量で、こんなにきついわけがない。何かがいつもと違うはずだ。ペース...
wix rbra2014年11月24日読了時間: 3分人生で4番目 6伊藤祐靖 5分もすると、海沿いあった灯台のからも遠くなり、僅かに足下を照らしていた星の明かりも鬱蒼と茂るクバの枝葉が遮断し、完全な漆黒となった。 4日前に上陸した香港の活動家達のうちの数名が密かに残っている可能性は多分にあった。彼らにすれば、我々の乗っていた漁船は、真夜中に...
wix rbra2014年11月24日読了時間: 3分人生で4番目 5伊藤祐靖 背泳ぎのような体勢でおでこ越しに灯台の明かりを見つめながら、顔面だけを水面に出して島への近接を開始した。距離は、300m程度だろう。これで、灯台と私の間に人が入ればすぐに判る。要するに私が上陸しようとしている地点に人が近づけば、そいつは灯台というバックライト背負う...
wix rbra2014年11月24日読了時間: 3分人生で4番目 4伊藤祐靖 港へ着いて、「第一桜丸」に乗り込むとすぐに弁当を食べた。20時30分の出港直後にまた一つ弁当を食べて、ビールを1リットル飲んだ。べた凪の海面を15ノット程度で進む中、21時には寝た。全長160mある軍艦とは、揺れの周期が全く違うが、船の揺れは、何とも心地よく懐かし...
wix rbra2014年11月24日読了時間: 2分人生で4番目 3伊藤祐靖 石垣島のホームセンターでリストに従って必要なものを調達して、ホテルの部屋に戻るとまず、特大の国旗の四隅にロープを付けれるようにすることから始めた。四隅に穴をあけ厚手の布を重ねて鳩目(靴ひもを通す穴にあるような環状の金具)を打ち込んだ。...
wix rbra2014年11月24日読了時間: 3分人生で4番目 2伊藤祐靖 香港活動家らが尖閣諸島の魚釣島に上陸した2日後、私は石垣島に向かうため羽田空港にいた。政府は奴等の処分を決定していなかったが、無罪放免としやがった時の腹は決まっていた。 私の乗り込む漁船は、18日の20時頃に石垣島を出港する。尖閣諸島周辺海域は高気圧圏内でべた凪な...
wix rbra2014年11月24日読了時間: 2分人生で4番目伊藤祐靖 平成24年8月15日、香港活動家らが尖閣諸島の魚釣島に上陸した。私は、不謹慎ながら心の奥でほくそ笑んでいた。それは、上陸した者、上陸を許した者への感情とは別のものであって、自分の出番が近づきつつあるという予感と今まで培ってきた能力が少しは役に立ちそうだという確信が...